元金均等返済方式とは?:ローン返済方法の基礎

この記事でわかること
- 元金均等返済方式の仕組みを解説
- 元金均等返済方式の計算方法とシミュレーション
- 元金均等返済方式を取り入れているローンとは
もくじ
どちらも名前が似ていますが、どちらを選ぶかによって、返済期間や月々の返済額が大きく異なってくること、ご存知でしたか?
このページでは「元金均等返済方式」について、詳しく説明していきます!
元金均等返済方式を、1分で解説!

●元金均等返済方式とは、月々に一定額の元金を返済していく返済方式のことです。
●毎月定額の元金返済にプラスして利息を払うことになるので、各回返済額は毎月異なってきます。
●毎月決まった額の借入残高が減っていくので、借入残金の把握がとても簡単です。
●そのぶん毎月の支払額が変動するので、返済日のたびに金額を確認しなければいけないのが面倒です。
●利息額は借入残高と比例するので、残高が多い初回返済は、返済額がとても高くなる傾向にあります。
利息について詳しくはこちら
●そのぶん、返済期間の最後のほうは利息額が減ってくるため、月々の支払がとても楽になります。
●借入れの金額が大きくなりやすい、住宅ローンや教育ローンでよく採用されています。
元金均等返済方式の計算方法は?

元金均等返済は、利息の計算方法さえ覚えてしまえばこちらのものです。
借入総額:A円
借入残高:B円
返済回数:C回
金利(年利):D%
という条件で借入しているとすると、返済額は借入残高:B円
返済回数:C回
金利(年利):D%
(A÷C)+B×D÷100÷365×返済月の日数
となります。
返済月の日数とは、30か31、2月であれば28、などです。
前半部分であるA÷Cの金額が元金返済に充てられる金額であり、それ以降の式で計算されているのが利息額になります。とはいっても、こんな記号だらけじゃ意味わからないですよね(笑)関数とか入ってないだけ、まだ元利均等返済よりはマシなのですが…。
ということで、実際に借入をしたと仮定して計算してみましょう。
元金均等返済方式の返済シミュレーション
仮に、以下のような条件で借入をしたとしましょう。
借入総額:300万円
返済回数(返済期間):60回(5年)
金利(年利):3.0%
初回返済の利息額は、返済回数(返済期間):60回(5年)
金利(年利):3.0%
300万×0.03÷365×31=7643.83…
≒7,500円
となります(端数切捨て)
また、初回の元金返済額は、
300万÷60=50,000円となるので、
初回返済額は、
300万÷60+7,500=57,500円
この調子で計算していくと返済の様子はこんな感じです。
返済額 | 利息分 | ローン残高 | |
---|---|---|---|
初回 | 57,500円 | 7,500円 | 2,950,000円 |
2回目 | 57,375円 | 7,375円 | 2,900,000円 |
3回目 | 57,250円 | 7,250円 | 2,850,000円 |
… | … | … | … |
15回目 | 55,750円 | 5,750円 | 2,250,000円 |
… | … | … | … |
30回目 | 53,875円 | 3,875円 | 1,500,000円 |
… | … | … | … |
45回目 | 52,000円 | 2,000円 | 750,000円 |
… | … | … | … |
60回目 | 50,125円 | 125円 | 0円 |
合計額 | 3,228,750円 | 228,750円 |
返していくうちに返済金額が減っていくのはいいことですね!
ちなみに、詳しい金利計算方法はコチラで解説しています。金利計算例まであるので、ぜひチェックしてみてください。
元金均等返済方式のメリット
では、元金均等返済の場合どんなところが便利なのでしょうか。元利方式と比較して考えてみました。月々の支払額の把握がラク
元利均等返済だと、ISPMT関数などを使った複雑な計算式が用いられるため、借入残高は毎月1円単位で減っていくのです。そのせいで、あといくら借金が残っているかの把握が難しくなっています。
元金方式であれば、残高の把握がとてもラクなのでストレスフリーです。
利息総額が安くなる
先ほどの金利計算式を見て、気づいたかもしれませんが、金利利息というのは借入残高に掛け算して計算するものなんですね。つまり、借入残高が減っていくと利息額も減っていくことになります。
元利方式では、毎月一定額を払いその中で利息充当分と元金充当分とがわけられるのですが、そこは金融機関にうまくできていて、最初のほうは支払額の多くが利息部分にまわされてしまうのです。
つまり、返済開始から数回は、ひたすら利息だけ払っているような感じです。元本が減らないので、利息も高いままです。
もちろんちゃんと定額払い続ければ、そのうち返済額のなかでも元金に充てられる割合が大きくなるので問題ありません。が、やはり元金方式のほうが元利方式よりも返済総額、つまり支払総額が安くすむということは間違いないでしょう
元金均等返済方式のデメリット
それでは逆に、欠点はどんなところでしょうか。こちらも元利方式と比べてみましょう。毎月の返済の額把握がめんどくさい
元利均等方式なら必要のない手間がかかってしまうということですね。
最初の負担が重い
当然ですが、最初の数か月は負担が大きくなってしまうのです。
今回は300万円という金額での計算でしたが、もし住宅ローンを組む、などという場合であれば借入額は1000万円は超えるでしょう。
もし、新婚さんだったり、これから出産予定があったり、なんて状態で住宅ローンを考えている場合は、元利均等方式のほうがいいのかもしれません。収入や支出が安定していないときに、多額のローン返済までのしかかってきたら大変です。
元金定額方式との違いは?
元金均等返済方式について、というと必ず聞かれる質問が、「元金定額方式とはどう違うの?」というもの。たまに適当なサイトなどで、「特に違いはありません」なんて雑な回答が見られますが、違いはあります。この2つ、確かにとてもそっくりです。でも、やっぱり違うんです。
「元金定額方式」とは、月々の最低支払額(約定返済額)を決めて、それを毎月支払っていくことで完済を目指します。つまり、月々いくら払うかを決めて、そこから返済期間が決まるわけです。詳しくはコチラで説明しています。
それに対して、
「元金均等返済方式」というのは、先ほども説明したように、まず支払い回数(返済期間)を決め、そこから毎月の支払額が決まることになります。
たしかに月々支払いをしているぶんには、計算方法などは変わりません。しかし、月々の返済額を固定したいか、それとも完済日を固定したいかは人それぞれなはず。
もしかしたらこれから借入する人も読んでいるかもしれないのに、「違いはない」というのはあんまりです…
もしこれから借入を考えている人がいたら、この違いをちゃんと頭に入れておいてくださいね。
元金均等返済を採用しているローンは?
では実際に、住宅ローン、教育ローン、カードローンの3種類の中で、元金均等返済方式がどのように採用されているのかまとめてみました。元金均等返済での借り入れを考えている方は必読です!
住宅ローン

これはまず間違いないですね。住宅ローンのほとんどが、元利金等返済方式か元金均等返済方式を採用しています。
しかし、いくら返済方式が似ていても、住宅ローンにもいろいろあります。固定金利希望なのか、変動金利希望なのか、などなど、、、。
住宅ローンは金額が大きくなるだけに、普通のカードローンよりも借入れが複雑です。「住宅ローンワイド団信」の加入や、「民間住宅ローン」など選択肢も多数。選ぶときは十分に時間をかけて検討しましょう。
ちなみに、住宅ローンを組むためには保険に入らなきゃいけないってこと、知らない人が意外といたりします。賠償額補償など大切なことなので、きっちりお勉強してから借りたいですね。
住宅ローン、どう選ぶ?
住宅ローン減税もあり、現在マイホームを検討している人たちは多いんじゃないかと思います。マイホームは一生に一度の買物ですから慎重に選ぶのが当然でしょうが、膨大な金銭を借りることになる住宅ローンもそれと同じくらい慎重に選んでほしいと筆者は思っています。
まず金利にも「固定金利方式」と「変動金利方式」のふたつの金利タイプがあります。変動金利の場合は金利上昇の可能性もありますから、きっちり検討しましょう。
そのために便利なのが、
「住宅ローン金利比較ランキング固定金利バージョン」
「住宅ローン金利比較ランキング変動金利バージョン」
などの比較サイト!
「住宅ローン金利ランキング」といったものもありますが、金利タイプによって利息の負担額も異なってくるので気をつけてくださいね。こうしたガイドの役目を果たしてくれるサイトは、上手に利用しましょう。
また、こういった注意は不動産投資などにも共通したことなので、もし不動産投資ローンを考えている方がいたら、同じく固定金利ローンなのか、変動金利ローンなのかに注意して慎重に選ぶようにしてください。
さらに、住宅ローン審査基準についても詳しくまとめているサイトがありますので、申し込み前に必ずチェックしましょう。年収によって制限額などがあるかもしれません。
ちなみに、住宅ローンも利息制限法の範囲内ですので、自分の支払っている金利が高すぎる、と思ったら一度調べてみることをオススメします。
住宅ローン減税もあり、現在マイホームを検討している人たちは多いんじゃないかと思います。マイホームは一生に一度の買物ですから慎重に選ぶのが当然でしょうが、膨大な金銭を借りることになる住宅ローンもそれと同じくらい慎重に選んでほしいと筆者は思っています。
まず金利にも「固定金利方式」と「変動金利方式」のふたつの金利タイプがあります。変動金利の場合は金利上昇の可能性もありますから、きっちり検討しましょう。
そのために便利なのが、
「住宅ローン金利比較ランキング固定金利バージョン」
「住宅ローン金利比較ランキング変動金利バージョン」
などの比較サイト!
「住宅ローン金利ランキング」といったものもありますが、金利タイプによって利息の負担額も異なってくるので気をつけてくださいね。こうしたガイドの役目を果たしてくれるサイトは、上手に利用しましょう。
また、こういった注意は不動産投資などにも共通したことなので、もし不動産投資ローンを考えている方がいたら、同じく固定金利ローンなのか、変動金利ローンなのかに注意して慎重に選ぶようにしてください。
さらに、住宅ローン審査基準についても詳しくまとめているサイトがありますので、申し込み前に必ずチェックしましょう。年収によって制限額などがあるかもしれません。
ちなみに、住宅ローンも利息制限法の範囲内ですので、自分の支払っている金利が高すぎる、と思ったら一度調べてみることをオススメします。
教育ローン
元金均等返済で教育ローンを組みたいのなら、信用金庫がオススメです。だいたいの場合、元利均等返済か元金均等返済のどちらかを選ぶことができます。
これなら自分に合っている返済方式を選択できるので安心ですね。ボーナス払いなどのオプションチェックも忘れずに!
カードローン
いま流行っているのは圧倒的にリボルビング払い、通称「リボ払い」です。
今回調べてみたところ、大手銀行や大手消費者金融のなかでリボ払い以外の返済方式を採用しているのは、「イオン銀行ネットフリーローン」だけでした。それでも元利均等返済方式です。
それ以外の会社は、大体「残高スライド式リボ払い」を採用しています。そのなかにも「定額方式」や「定率方式」などの違いがあるのですべて同じ方式ではないですが…。
残高スライドリボルビング方式とは?
すべてのカードローン会社を漏れなくチェックできたわけではないので、絶対に存在しない!とは言い切れませんが、少なくとも大手金融機関などでは採用されていないと言えます。
やはり、元利・元金均等方式ともに、高額借入に向いている返済方式だということですね。金融会社としても、やはり採算の見込めるリボ払いの方が、採用したいでしょうし…。
ローン契約の際には、必ず返済方式や支払い方法をチェックすることを忘れないようにしてください。
関連ページ
「返済方式」の基本!
「ローンの計算方法」
をわかりやすく!