実質年率方式とは?:ローン返済方法の基礎

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この記事でわかること

  • 「実質年率方式」とは何か
  • 実質年率方式で具体的に利息計算
  • 30万円借り入れした返済シミュレーション
  • 実質年率方式のメリットとデメリット
  • 実質年率方式を上手く利用するコツ

もくじ

借金返済方式のなかにも、月々の返済額を決めるための方式と、利息をどのように決めるかの利息計算方式の2種類があります。

たとえば、残高スライド方式や、元金定額方式などは、月々の返済額を決めるためのものです。

それに対し、実質年率方式アドオン方式は、返済額の中でも「金利手数料」つまり利息に関わる計算方式のことです。

もちろん利息額が変われば、月々の返済金額や返済総額も変わってくるので、借金返済において重要な役割を担っています。

実質年率は、日本の貸金業界のなかではかなり主流な計算方式なので(住宅ローンや自動車ローンなどでもこれが一般的です)、現在借り入れしてる人、これから借り入れしようとしている人は、このページ必見です。

実質年率の計算方法はもちろん、メリットやデメリットまで、徹底解説します!!

実質年率方式を、1分で解説!!

実質年率方式は年間の利息額を算出する方法
そもそも金利とは、借入金額に対して何%を利息(または手数料)として元金とは別に徴収するかを定めるものです。このお金は利子とも呼ばれ、これがキャッシング業者の収入源となっています。

●実質年率方式は、借入残高に対し1年で何%の額を利息(または手数料)として支払うかを決めるものです。

何パーセントになるかは、借入金額やどの業者から借りるかで大きく異なります。

1か月の利息額は借入残高に実質年率をかけたものを、365日で割り、その月の日数を掛けたものになります。

よく自動車ローン金利などで保証会社に払う「保証料(または手数料)」は、金利とは別に実質年率に含まれます。実質年率は、金利+手数料率となるので、ローンを組む際は金利だけではなく、保険まで含まれた実質年率を見ることが大事です。

と、ここまで書きましたが、言葉で説明されてもよくわからないですよね…。でも、安心してください。これから計算方法と、返済の流れをシミュレーションしたものをわかりやすく解説します!

実質年率の計算方法が知りたい!

まずはじめに、どういった計算方法で毎月の利息を出しているのでしょうか。その公式を紹介します。

毎月の利息は、
借入残高×金利(%)÷365×1ヵ月の日数
で計算することができます。

たとえば、借入れ残高が10万円で、金利が10%、1ヵ月の日数が30日だったとすると、その月の利子は、

10万×0.10÷365×30=821.917…
820円

となります。

ちなみにこの計算式は遅延損害金の計算にも使えます。金利の代わりに遅延損害利率を入れて、1ヵ月の日数のところには遅延した日数を入れるだけです。

では、実際にこの計算方法を用いて、30万円の借入れの返済をシミュレーションしてみましょう。

実質年率方式返済シミュレーション

「実質年率方式」でシミュレーションしてみました
たとえば、以下のような条件で借り入れをしたとします。
●借入金額:30万円
●実質年率:10%
●返済回数:12回(借入期間:1年)
実質年率が10%ということは、借入残高に10%を掛けたものが1年間での利息額、ということになります。

しかし、だからといって、単純に30万円に10%をかけて、利息額が3万円!ということにはなりません(それはアドオン方式という別の計算方式になります。詳しくはこちら

実質年率方式では、最初の借入残高ではなく、毎月の元金総額によって、利息額を計算しなおしていくのです。今回の計算例では、金額をわかりやすくするために1か月は30日、と仮定しました。

まず、1回目の返済額です。
初回返済における金利は、

30万×10%(0.10)÷365×30
=2465.7534….≒2,500円


となります。

また、元金は12回払いなので、

30万÷12=25,000円

となるので、初月の返済額は

25,000(元金)+2,500(利息)
=27,500円


です。
同様に2回目の返済を考えてみましょう。
1度目の返済で、借入残高は275,000円になりました。
2回目の利息額は、

275,000×0.10÷365×30
=2260.2739….≒2,300円


です。

元金返済は1回目と変わらず、25,000円なので、返済額は

25,000+2,300=27,300円

となります。
では、3回目はどうでしょうか。
3回目の利息額は、

250,000×0.10÷365×30
=2054.7945….≒2,100円


です。

元金返済は一定して25,000円なので、返済額は

25,000+2,100=27,100円

となります。
返済の流れを表にしてみると、

返済額 利息分 借入残高
初回 27,500円 2,500円 275,000円
2回目 23,700円 2,300円 250,000円
3回目 27,100円 2,100円 225,000円
12回目 25,210円 210円 0円
こんな感じになります。

もちろんこれは、追加借り入れはしない、と仮定した場合のものですが、借入残高が減っていくにつれて、利息額が安くなっていっているのがわかりますね!

実質年率方式のメリット

では、この実質年率方式の良いところとはどんなところでしょうか。

それはズバリ、払うべき利息総額が抑えられる、これに尽きます。

日本で採用されている金利の計算方法はアドオン方式と、実質年率方式のほぼ2つだけです。

アドオン方式は、最初の借入額にアドオン利率と呼ばれる割合を掛け、それを分割して払います。クレジットカードの分割払いなんかがそうですね。

つまり、実質年率方式は借入残高が減少するにつれ金利額も減っていくのに、アドオン方式ではそれがない、ということです。

実質年率方式のデメリット

では逆に、実質年率方式のデメリットはなんでしょうか。

それは、計算がめんどくさいこと。

最初に公式を紹介したのでわかるでしょうが、暗算で計算するのは難しいです。返済期日が迫る前に、返済額をある程度把握しておくのは大切なこと。でも実質年率方式だと、頭の中で大体このくらいかな?と目安をつけるのも厳しいんじゃないでしょうか。

その点、アドオン方式なら計算はとても簡単。30万円でアドオン利率が10%なら利息総額は3万円です。アドオン率についてはこちらでも解説しているので、ぜひご覧ください。

支払うべき利息総額がはっきり見えているだけでも、返済生活は楽になります。その点で、実質年率方式は少しやりづらい部分があるかもしれません。ですが、企業にとって収益性、収益率が高く、収益金額も上がるのはアドオン方式のほう。それはつまり、利用者が損をしやすい方法ともいえるのです。

やはり、利用者にとってありがたいのは実質年率の方。では、どうすれば、実質年率方式の借り入れでおトクに返済できるのでしょうか?

実質年率方式と上手に付き合うための3つのコツ

ネットのシミュレーション機能を活用しよう
いくらデメリットがあるとは言っても、実質年率方式はいまや貸金業界での主流。アドオン方式を採用している会社でも、お金を貸し付けるときには実質年率での表記も義務付けられているのです。

と、いうのも、アドオン金利で表記すると実質年率方式よりも割合が少なくなりがちなんです。仕組みをよくわかっていない人からすると、アドオンの方がおトクに思えてしまうもの。

だから今では、アドオンを採用しているカードローン会社なども、実質年率だったら何%ぶんの利息を支払いすることになるのかを示すことが義務付けられているのです。

もし、契約申し込みの際の書類に「実質年率」の文字が無く、「年利」などと記されていたら確認した方がいいかもしれませんね。

いま日本で借金を考えているのであれば、実質年率方式を理解して上手に付き合っていくことは必須です。

ここでは、そのために大切な3つのポイントを紹介します。

シミュレーションを利用する

計算がめんどくさいのなら、機械にやってもらえばいいのです。

現在では、インターネット上に条件を打ち込むだけで簡単に計算してくれるサイトがいくつもあります。もちろん、名前や住所は必要なし!必要なのは返済回数や元本の金額、借入れの際の設定だけです。

まとめて計算してしまう

計算ソフトを使えば、完済までの道のりをまとめて出してもらえます。が、もし手元に電卓もあるし、自分で計算してしまおう、という人は、来月の返済期日分だけではなく、完済まで一気に計算してみちゃいましょう。

完済までに払う利息総額を把握しておくのはとても大切なことです。借金返済に失敗してしまう人に多いのは、来月の返済日など目先の支払日ばかり気にかけている人です。そういう返済生活だと、実質年率方式では毎月の支払額は変わるし、利息総額のイメージがつかめず混乱してしまいがち。

でも、きっちり最初の段階で計算して支払利息総額のイメージが持てていれば、実質年率方式はアドオン方式よりも利息総額を抑えて、返済することができるのです。

繰上げ返済のモチベーションにする

コレ、意外と一番大事です。

実質年率方式の良いところは、借入元金が減れば利息も減っていくところ。つまり、繰上げ返済すればするほど、利息総額も減っていくのです。

繰上返済なしで返済シミュレーションした後に、繰上返済したとして計算しなおしてみるのも良いかもしれません。利息がいくら減るのか、返済期間がどれだけ短くなるのか、それが具体的に見えたらそれだけでもモチベーションになりますよね。

計算がめんどくさいので不便なところもある実質年率方式ですが、きっちり理解しておけば、なにひとつ怖いことはありません!メリットを意識して返済計画をたて、早期完済へのモチベーションとして、逆に利用してやる、くらいの心づもりでいましょう。

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