奨学金の審査に通らない!なぜ!?審査基準の中で重要なのは…

この記事でわかること
- 奨学金に受かるための「基本的審査基準」とは
- 審査に通らない大きな理由は「成績」と「所得制限」
- 奨学金と併せて申し込むべきなのは「国の教育ローン」
- 奨学金・国の教育ローン以外の学資調達方法
- 「銀行カードローン」は緊急のつなぎ融資に便利
もくじ
インターネット上にあふれる「あの人が利用できて、どうして自分は審査落ちなの?」という疑問の声。奨学金の審査基準は、いったいどうなっているのでしょうか?
このページでは、奨学金の申込み(審査)基準について詳しく解説しつつ、万一奨学金を使えなかった場合のお助け教育費調達方法について、ご紹介します。
つい昨年、子供2人を大学に入学させた筆者体験済みのガチ情報です。国の教育ローンでもさんざん苦労しましたので、以下のページもご覧ください。
国の教育ローンの審査に落ちた人へ!学資にすぐ使える銀行ローン
※このページで取り上げている「奨学金」とは、全て独立行政法人日本学生支援機構の奨学金制度のことです。各大学独自の奨学金や、その他企業・団体の奨学金など、奨学金制度自体は多数あります。それぞれ情報が異なりますので、別途ご確認ください。
奨学金の審査基準とは?

奨学金審査を突破するためには、まずどんな学生が利用できるのか、申込資格を確認してみましょう。
【重要】なお、ここでご紹介する条件等は、主に大学・短期大学・専修学校に進学する人が、予約採用(入学前年に高校などの在籍校を通じて申込む方法)で申し込む際の情報にシフトしています。
奨学金の利用条件は、申込時期や進学先によって詳細に決められており、一律で簡単にお伝えすることができません。
在学採用(入学後の申込み)や大学院・高等専門学校に進学の場合は数値や諸条件が微妙に異なりますので、日本学生支援機構のホームページで必ずご確認ください。
申し込めるのはこんな学生
日本学生支援機構の奨学金は、大学・短期大学・大学院・高等専門学校・専修学校(専門課程:いわゆる専門学校含む)に在学する学生・生徒が利用できる奨学金です。つまり、これらの学校にすでに在学している人、もしくは、進学予定の人が利用できる奨学金で、以下の基準を満たす場合、申し込みできます。
▼大学進学の予約採用の場合
(1) 当該年度末に高等学校又は専修学校(高等課程)を卒業予定であること。
(2) 高等学校又は専修学校(高等課程)を卒業して2年以内の人で、かつ大学・短期大学・専修学校にまったく入学していない場合(いわゆる浪人生など)。
(3) 高等学校卒業程度認定試験もしくは大学入学資格検定に合格していて、いまだ大学等へ入学したことのない人。また、科目合格者で基準に該当する人や出願者。
実際に奨学金を利用する際には、これらの卒業・卒業認定だけでなく、学力や家計の状況に利用基準が設けられています。
(1) 当該年度末に高等学校又は専修学校(高等課程)を卒業予定であること。
(2) 高等学校又は専修学校(高等課程)を卒業して2年以内の人で、かつ大学・短期大学・専修学校にまったく入学していない場合(いわゆる浪人生など)。
(3) 高等学校卒業程度認定試験もしくは大学入学資格検定に合格していて、いまだ大学等へ入学したことのない人。また、科目合格者で基準に該当する人や出願者。
学力基準とは?
奨学金を利用する際には学力基準があり、以下のようになっています。▼大学進学の予約採用の場合
利用条件:学力基準 | |
---|---|
第 一 種 |
(1) 高等学校又は専修学校高等課程の、1年から申し込み時までの成績評価の平均値が3.5以上 (2) 高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定)に合格した人、または科目合格者で基準に該当する人 |
第 二 種 |
(1) 高等学校又は専修学校(高等課程)での学業成績が平均水準以上 (2) 特定の分野において特に優れた資質能力を有する (3) 大学における学修に意欲があり、学業を確実に修了できる見込みがある (4) 高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定)に合格した人、または科目合格者で基準に該当する人 |
第二種は学力基準が「平均水準以上」とのややあいまいな表現になっていますが、第一種での採用条件は、成績の評定値を厳密に3.5以上と決めています。
※第一種・第二種の違いについては、こちらに詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
奨学金とは?学生が借りるの?いまさら聞けない教育ローンQ&A
家計基準とは?
奨学金の利用には、家庭全体の収入に上限金額の目安があり、所得証明書や確定申告書を提出して審査を受けることとなります。選考の対象になるのは家計を主に支えている人(家計支持者)の収入(所得)ですが、申込み書類にはそのほかの家族の収入も記載します。
また給与所得者は年収ベースで選考され、それ以外の自営業者などは、所得で審査されます。
▼大学で予約採用の場合の家計基準
世 帯 人 数 |
3人の場合の年収上限 (カッコ内は所得) |
4人の場合の年収上限 (カッコ内は所得) |
5人の場合の年収上限 (カッコ内は所得) |
---|---|---|---|
第 一 種 |
692万円 (286万円) |
781万円 (349万円) |
896万円 (464万円) |
第 二 種 |
1,033万円 (601万円) |
1,124万円 (692万円) |
1,274万円 (842万円) |
第 一 種 ・ 第 二 種 併 用 |
633万円 (245万円) |
720万円 (306万円) |
858万円 (426万円) |
第一種で貸与される奨学金だけでは足りないので第二種として追加したい場合は、より家計の上限額に注意してチェックしておいてください。もしも併用できない場合は、第二種の方が貸与額が高いので、全て第二種にすることも検討が必要です。
第一種と第二種、条件の違いはなぜ?
第一種と第二種の最大の違い、それは…★第一種 ⇒ 無利息貸与
★第二種 ⇒ 利息あり
このような利息の取り扱いにあります。
より家計の状況が厳しく、かつ優秀な学生に、より有利な条件で貸与を行うのが第一種奨学金です。従って、第一種の方が当然採用は厳しくなっています。
学生本人に障害があったり、家庭に長期療養者がいる場合など、利用条件が優遇されるケースがありますので、該当する場合は別途ご確認ください。
審査の内容は他のローンと違う?
さて、利用条件が細かく決められている奨学金ですが、審査の流れ自体は一般的なローンと同様に進みます。例えば、ローン審査では、申し込み者の信用情報を個人信用情報機関に照会して、他に多額の借金がないか、とか、延滞などのブラック事故情報がないか、などを確認します。
奨学金の申込者は就学者本人で、当然ながら本人にはまだ収入がないので、提出書類に記載した保護者の信用情報が照会されます。利用条件以外にも、当然ながら保護者の個人情報の内容で落とされる場合もあります。
なお、補足ですが、奨学金の申込には連帯保証人が必要です。親戚などに頼める人がいない場合や、頼みたくない場合は、毎月一定額の保証料を払って機関保証制度を利用する、という手もあります。
奨学金は圧倒的な低金利が魅力的ですが、保証機関を利用すると、貸与額によっては数パーセントの保証金になるケースもあります。保証人か、機関保証かはいったん選択すると途中で変更できませんので、よく検討してから選ぶようにしましょう。
もっと詳しく!重要なのは成績と家計基準!

奨学金のそもそもの目的は、学ぶ意欲は高い学生を、経済的な面でフォローしよう、というもの。したがって、貸与に当たっても、学ぶ意欲と家計の状況が選考の対象となるのは当然と言えます。
進学前の成績は本当に重要?
奨学金は、学生が自立して真面目に学問に取り組むための貸与なので、成績が基準に達していない場合は本当に採用されない場合があります。家計基準にも合致しているのにどうして落とされたのか…?という場合は、成績が十分でないと判断された可能性があります。
また貸与が開始された後でも、不真面目で学ぶ姿勢に問題があった場合や、成績が著しく悪い場合は、貸与が打ち切りになることがあります。奨学生として採用されたなら、入学後も油断せず、自覚を持って勉学に取り組むようにしましょう。
家計基準は「目安」ではない?
奨学金の審査が、一般のカードローンなどの審査と異なる点は、利用する人の年収の上限が決められている、という点です。カードローンやキャッシングの審査などは、年収が高く返済能力の高い人ほど通りやすくなりますが、奨学金は経済的に教育費の負担が大きい人への貸与を目的にしていますので、十分に収入がある家庭の学生は利用することができません。年収上限は「目安」とはいうものの、実はしっかり選考されていて、奨学金審査の結果をもっとも左右します。
なお、余談ですが、国の教育ローンも、家計の状態から教育費の捻出が厳しい人に、低金利で貸し付けを行う国の事業です。教育ローンという名称ですが、一般の銀行の教育ローンと異なり、奨学金と同じく収入の上限設定があります。扶養している子供の数に応じて上限金額が変わるので、こちらでご確認ください。
奨学金とは?学生が借りるの?いまさら聞けない教育ローンQ&A
奨学金が使えなかった!どうすればいい?

完全にあてにしていた奨学金が利用できない事態になると、本当に慌ててしまいますね。しかし、審査がある以上、落ちて利用できないケースはあり得ます。
奨学金が使えなかった場合、そのあとの教育費の調達は、どうすればよいでしょうか。
次の選択肢は国の教育ローン
奨学金と合わせて、多くの家庭で利用するのが、国の教育ローン(日本政策金融公庫の教育一般貸し付け)です。
奨学金の貸与が始まるのは入学後の5月頃のため、入学前に収める資金には利用できません。そのため、自己資金で用意できない場合は、国の教育ローンを併用して入学金の入金を行うのが一般的です。
また、国の教育ローンと合わせて奨学金を申し込んでおくと、万一国の教育ローンが審査落ちで使えなかった場合、一時的に奨学金を増額して利用することができます。入学時特別増額貸与という名称で、奨学金の手続時に申請しておきます。
また、奨学金が学生本人の借金になるのに比べ、国の教育ローンは借り主が保護者になるため、子供に借り入れをさせたくない場合には、むしろ国の教育ローンを選ぶという人もいます。借り入れ対象の学校が幅広く、借入金の使途も柔軟で、教材費や生活費等の費用にも使えるのが魅力です。
注意点としては、世帯にいる子供の数に応じて、利用できる世帯年収の上限が決められていること。奨学金を年収オーバーで利用できなかった場合、国の教育ローンも利用できない可能性があります。
国の教育ローンと奨学金の違いについては、こちらに詳しくまとめてあります。ぜひご一読ください。
国の教育ローンと奨学金。その違いとメリット&デメリット
その他の教育費調達方法
奨学金と国の教育ローンが、教育費調達の定番として有名ですが、ほかにもこのような方法があります。● 大学独自の奨学金・企業や団体の奨学金を利用する
大学などの進学先では、その学校や大学後援会、OB会などが貸与している奨学金がたいていあるものです。志望校が決まった時点で、大学等の独自の奨学金にはどのようなものがあるかを調べておきましょう。
ただし、独自の奨学金は大学によってかなり内容が違います。奨学金制度が手厚いかどうかも、志望校選びのきっかけになるかも知れませんね。
その他、企業や財団法人、NPOなど各種団体が貸与している奨学金が実はかなりあり、注意して探すと給付型(返還不要型)の奨学金も見つけることができます。
企業や団体の奨学金は、大学側が情報を出している場合もありますが、多くはインターネットで調べることが可能です。条件・審査は厳しいでしょうが、ぜひチェックしてみてください。
● 一般の銀行の教育ローンを利用する
利用できる確率的には、一般の銀行教育ローンがおすすめです。保護者が借りるローンで、軒並み限度額が高く、十分な資金が借りられるのが特徴です。奨学金や国の教育ローンのように収入の上限枠はなく、安定収入があってきちんと返済可能と判断されれば借り入れが可能です。
希望額を申しこんで1回ずつ審査する方法は、国の教育ローンと同じ方式ですが、最近は地方銀行などでカードローン型の銀行教育ローンが出てきています。
運よく身近にカードローン型教育ローンの取り扱いがあれば、審査通過後は限度額内で何度でも借り入れ・返済できますので、追加融資で審査を待つ手間もなく、手続きが大幅に楽になっています。
銀行教育ローンは時期を問わず申し込みできる上に、取扱いが銀行という安心感もありますが、金利的には奨学金などよりも、かなり高めになっています。
● 祖父母などから教育資金の非課税贈与も…
幸いなことに、祖父母から教育費援助の申し出があった場合は、非課税贈与の制度を上手に使いましょう。当初2015年末までの期間が、2019年3月まで延長されています。
この制度は、教育費としての贈与なら、一人当たり1500万円まで非課税で贈与できる制度です。まとまった金額を非課税で贈与できるメリットがありますが、一方で専用口座を設ける必要があったり、贈与金の利用使途が細かく決められていたり、と不便な点もあります。
また、一括して大金を贈与することから、贈与される側の放漫につながったり、不公平な贈与が家族間のトラブルに発展することがあり、贈与する側・される側ともに、十分話し合ってから決めるようにしてください。
教育費のピンチにスピード対応できるのは銀行カードローンだけ!
さて、このページでは、奨学金審査の内容から、そのほかの教育費の調達方法まで色々とお伝えしてきました。そこで質問です。これらの教育費調達方法に、共通したデメリットがあるのにお気付きですか?
実は奨学金や各種教育ローン、どれも申込みから実際の借り入れまでに時間がかかってしまうんです。 納付金の期限に間に合わなかったり、追加融資にものすごく時間と手間が掛かったりして、教育費がピンチに陥ったときには、スピード融資の銀行カードローンを上手に使いましょう。

銀行カードローンは事業性資金以外には自由に使えるので、もちろん教育費としても使うことができます。早ければ数日で融資が受けられるため、急に資金が必要になった場合でも助かります。
とりあえず入学時に初回の納入金でまとまった額が必要な教育費。しかし、そのあとも何年かにわたり、学費以外にも細々とした費用が必要になります。そんな時の急な出費にも、銀行カードローンならスピーディに対応することが可能です。
とはいえ、国の教育ローンなどと比較すると金利は高め。したがって、まずは銀行カードローンで間に合わせ、後でゆっくり低金利な教育ローンの手続きを行って、賢く借り換えるのが教育費調達の上級者です。
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