『ナニワ金融道』の名言集 ~登場人物のセリフ編(8)~「1000万円薄井に届けて夜逃げの手伝いしてくるんや」

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講談社刊『コミックモーニック』での連載開始から早25年以上。バブル崩壊と平成不況という日本の世相とも絶妙に内容がリンクし、発売日が待ち遠しいとされる大ヒット作となった漫画作品、それが『ナニワ金融道』(略称:ナニ金)です。

連載終了後に明かされたところによれば、連載開始前、当時の編集長からは早ければ1ヶ月、持ってもせいぜい1年と見下されていたのだとか。大阪を舞台としたクセのある作品の内容や絵のタッチもさることながら、作者の青木雄二氏氏がマルクス主義・社会主義に傾倒し、わが国の資本主義を「資本家や大企業による労働者からの搾取である」と、いささか左翼がかった主張をしていたことも原因だったとのこと。

しかし結果はご存知の通り、圧倒的な読者数による絶大な人気により講談社漫画賞を受賞したのはもちろん、同じ系統の『難波金融伝・ミナミの帝王』や『闇金ウシジマ君』といった後続作品のための道を切り拓いたという功績も見逃せません。ちなみに現在では、無料漫画サイトやアプリなどで全巻無料作品として、一挙にマンガ読破できますので、未読の方はぜひ。

これほどまでに、ナニ金という物語が大きな影響力を誇った理由は、なんといっても、人間が借金をしてしまう理由や状況、心理といったものを、実際にありそうなリアリティで描いているからです。それこそ、借金の返済苦におちいらないための気づきを与えてくれるものであり、そうした内容を、登場人物のセリフから見ていこうというのがこの記事です。
前回の第7弾では、薄井毛利男と泥沼亀之助という、まったく逆の人となりを持つ人物との関わりが同時進行で起こるという内容でした。

連帯保証人や保証人制度、土地や不動産の抵当権や短期賃借権、任意売却、過払い金、選挙や政治家といった内容が——ナニ金としては珍しく——出て来ません。

代わりに連載当時に社会問題化していたダイヤルQ2やカード破産を題材としています。今回は、この2人にまつわるストーリーの結末と、新たに始まる次の展開。ぜひご覧になってみてください。

「よし ホナこの1000万円 薄井に届けて夜逃げの手伝いしてくるんや ええか 単なる手伝いとは違うんやで」by金畑金三

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これは灰原に対して、薄井の夜逃げをサポートする命令として、金畑社長が放った言葉です。1000万円という金額につい目がいってしまいますが、実は「単なる手伝いとは違うんやで」という後半の言葉の方が、より重要な意味を持っているのです。

第7回目の記事で取り上げました通り、灰原のアイデアで実行されたダイヤルQ2を用いた債権回収(実際には詐欺行為なのですが)は、当初成功したかに見えました。しかし、そこは天下の大企業NTT。そうした悪事を見逃すはずもなく、利用料金の取り立てはQ2業者=薄井の休眠印刷会社を利用したダミー会社が、自分で行えと通達してきたのでした。

そんな一大事に対し、金畑社長の命により、灰原は薄井にことの次第を打ち明け、夜逃げしてくれと土下座。薄井も灰原が最初から悪意を持ってやったことでないことはわかっていると、涙ながらに灰原と酒を酌み交わし、夜逃げを了承するのでした。その上で灰原に対し、金畑社長が放ったのが、このセリフなのです。

その意図は、薄井には中途半端に夜逃げをしてもらうのではなく、北海道や九州といった遠方に逃げてもらい、なおかつ帝国金融との関わりは一切残さないようにしなければならないということ。万が一にもNTTが薄井を詐欺で訴え捕まってしまったら、帝国金融は共犯扱いとなってしまうからです。

そうした意味が、この「単なる手伝いではない」という言葉に含まれているという点こそが、ナニ金ならではの奥の深さと言えるのです。またこの際、金畑社長はバカ者と怒鳴る代わりに、「ヘタ打ったら 灰原 お前一人で責任かぶるんやで」とも厳命しています。
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この記事ではすっかりお馴染みとなった金畑社長のシビアな徹底ぶりですが、「絶対失敗しないよう心してかかれ」という激を飛ばしていると見ることもできるのです。マチ金業者は私情を挟んではならない——ナニ金の代表的セリフのひとつですが、これは自社の社員に対しても例外ではないということも示しているのが、考えさせられますね。

「ワシが助かるためには どない考えても もうこの方法しかあらへんのや!」by泥沼亀之助

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これは泥沼亀之助が、ついに第一線を超え犯罪者の仲間入りをしてしまう際につぶやいた言葉になります。まっとうに生きて来た人間が悪事に手を染めてしまう際の例であると同時に、我々が絶対に真似してはならない教訓という意味で、これも名言(と言うより迷言ですが)と言えるでしょう。

前回までの記事でご紹介してきました通り、泥沼は先輩の結婚披露宴で150万円を祝儀泥棒にまんまと持ち逃げされたことをきっかけに、帝国金融に180万円を借入。しかし、その返済方法は、クレジットカードで購入した新幹線回数券を金券ショップに売ることで作ったお金を充てるという、「借金で借金を返す」やり方でした。

結果、泥沼は帝国金融からの借り入れは完済したもの、複数のクレジットカード会社からの多重債務者になっている状況。そんな折に、愚かにも思いついたのが、他人のクレジットカードを悪用し通信販売で商品を入手し、それを転売することで利ざやを稼ぐ取り込み詐欺でした。そして図々しくも、灰原に他人名義で荷物を受け取るアイデアはないかと尋ねる始末。もちろん、灰原は毅然と協力を拒否しました。ここまでが、前回までのあらすじです。

灰原に断られた泥沼でしたが、ここで諦めることはなく、電話帳で見つけた電話代行サービス会社を利用することを思いつきます。もちろん現代にはおいては、こうした犯罪に悪用されないよう、依頼者の身元チェックなどはキチンと行われますが、本作品連載時の90年代は、まだまだアバウトだった時代。泥沼も鶴沼という偽名で利用を申し込み、悪用するカードの名義人に成りすまして対応してもらうこともでき、そして偽名での荷物受け取りまでも依頼でききてしまいました。時代が違うとは言え、今では考えられないことですね。
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ともあれ、泥沼はまんまと取り込み詐欺を成功。総額500万円相当の商品を入手し、「世の中、マヌケが多くて助かったわ」とほくそ笑むのでした。ちなみにこの後、泥沼は商品を現金化しようとサングラス姿で変装し質屋を訪れたところ、灰原と偶然遭遇。慌てて踵を返して逃げた泥沼に対し、「やっぱりやったんだな」と灰原は呆れます。

ナニワ金融道の代表的セリフに「人間はどんなことにも慣れられる」という名言がありますが、これは犯罪や悪事に一旦手を出すと、迷いやためらいも無くなってしまうということも表しています。実際、泥沼の転落は、真面目に仕事をしている一般人にも十分起こり得ること。そこでどう対応するかという選択を、読者に問いかけているという意味でも、ナニ金の奥深さを感じられますね。

さて、前にもご説明した通り、泥沼は帝国金融からの借入は返済していますので、この後どうなろうと灰原には関係ないのですが・・・実は、泥沼と灰原は意外な場所で再会することとなるのです。これについては、またその時が来たらご紹介しますので、ぜひお楽しみに。

消費者金融の審査に落ちたのはクレジットカードが原因だった?申し込み前の注意点
[ひと息コラム]#7:灰原と桑田、そしてもう一人、ドラマ全話に登場した意外な人物とは・・・?

1996年から2005年にかけて、SMAPの中居正広主演にて、パート1からパート6までシリーズドラマ化されたナニワ金融道。桑田役は小林薫、「金子」社長(ドラマでの役名)役には故・緒形拳を配し、なかなかに味わい深い存在感を放ちました。

そして2015年には、10年ぶりの復活としてネット記事やブログなど各種メディアでも多数コメントされるなど話題になった、ドラマ版『新ナニワ金融道』が放映。「金子」社長役の緒形拳氏がお亡くなりになったため、綿引勝彦演じる高山部長が社長にスライドという設定で展開されました。

しかし、実は高山部長役の綿引勝彦は、スケジュールの都合で、旧ドラマ全作には出ていません。そして緒方拳氏は、新ドラマに遺影として写真のみが登場。新旧すべてに出ているのは中居演じる灰原、小林演じる桑田、そしてもうひとりは何と・・・今回の記事でも取り上げている泥沼亀之助なのです。
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その役どころは専門用語で言うところのコメディリリーフで、毎回「よい金儲けのアイデアを思いついた」と灰原にまとわりつくのがお約束。演じた梶原善はまさに当たり役で、泥沼のダメ人間ぶりを見事に演じきっています。各話どんな設定だったのかをご紹介しましょう。

パート1
祝儀泥棒に150万円を持ち逃げされ、帝国金融に融資を申し込み、その後、クレジットカードによって借金を借金して返すところまでは原作と同じ。ただし、取り込み詐欺に着手する方法が、原作とは異なっています。

パート2
アフリカ大陸で毎年何万匹も死んでいる猿を救うという名目(??)の、栄養ドリンクのマルチ商法の勧誘員として登場。灰原は別の勧誘員に追い込みをした経験があり、売り文句を先んじて言うと、灰原も勧誘員だと勘違いし帰っていきました。

パート3
ぼったくりバーに軟禁されているところを帝国金融に電話をかけてきて、飲み代10万円を借入。借用書をキチンと書かせた上で貸し付けると、新興宗教の教祖になってお布施を集めようとしていると言い放ち、灰原を呆れさせます。

パート4
偶然立ち寄った神戸のラーメン屋台の主として登場。新興宗教の教祖になれると騙され、売れない壺を押し付けられたと、灰原に愚痴をごぼします。

パート5
チケットサービス会社の社長として登場。チケットの安売りだけでなく、上映期間が終わり売れ残った映画チケットを利用した詐欺に手を染めており、灰原を呆れさせます。

パート6
デート商法のカモにされ、なおかつマルチ商法の勧誘員となって登場。灰原が騙されそうになった女性と、すっかり恋仲となっていると錯覚している哀れな男として登場しました。

新ナニワ金融道
小池栄子演じる小塩夫妻(原作では小骨夫妻名義)の妻がお金に困り、半ば騙される形でアダルトビデオに出演しかけた際、そのAVメーカーの製作者として登場。変わらぬお調子者ぶりで、天職を見つけたと言い放ちます。

いかがでしょうか?今回の記事まで取り上げてきた原作での泥沼は、それこそダメ人間の典型ですが、ドラマ版では、どこか憎めないキャラとして演出されています。こうした原作との違いを楽しむのも、また楽しみですね。

「その1000万は 断じて受け取れませんぞ」by薄井毛利男」

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これは金畑社長の命により、現金1000万円を持参した灰原に対し、夜逃げの準備真っ最中の薄井が返した言葉。まさに泥沼とは真逆の物言いであり、人間性の違いというものを、見事なコントラストで描き出しています。

先に述べました通り、ダイヤルQ2を利用した債権回収が失敗したことで、そのダミー会社を引き受けてもらった薄井には、NTTからの追求を避けるために、夜逃げをしてもらうこととなりました。その資金および口止め料として金畑社長が用意したのは1000万円。

しかし薄井は、この話に乗る乗らないを決めたのは自分であり、また印刷会社時代からの帝国金融への借金もチャラにしてもらったのだから、これ以上の施しを受ける訳にはいかないと言い張ります。平成の現在ではあまり見られなくなってしまいましたが、昭和の時代には、こうした考えを持つ人物も少なくありませんでした。

そこで灰原は、ひとまず荷物の搬出と部屋の掃除を手伝いながら、こうなってしまったことの詫びを繰り返し、またこれからどうするのかといった会話をして、薄井の心を変えさせようと試みます。

ちなみに、ひとつ興味深いのは、ここで交わされた年金についての会話。灰原が「夜逃げするとなると、年金ももらえなくなってしまいます」と指摘したのに対し、薄井は「そんなもんあてにしたこともありませんわ 国の世話にはならん覚悟で生きてますよってに」との言葉を返します。

実はこれ、作者の青木雄二氏が生前抱いていた考え方そのもの。年金制度は破綻することが目に見えていると、掛金を一切払っていなかったという有名なエピソードであり、それを薄井のセリフとして主張しているのですね。こうした青木雄二語録は他にもまだまだありますので、いずれ機会を設けてご紹介していきたいと思います。

さて、荷物の搬出と部屋の掃除も終わり、薄井が妻とともにレンタカーで出発しようとする間際、灰原はあらためて1000万円の包みを取り出します。「このまま持って帰ると、ウチの社長にひどく怒られます」と受け取ってくれるように懇願し、灰原がそこまでしてくれる気遣いぶりにほだされ、薄井は涙ながらに受け取り、この恩は一生わすれないとの言葉を残して去っていきます。
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それを見送りながら灰原は「自分が手柄を立てたいと舞い上がってしまったばっかりに・・・」と心の声でつぶやくのでした。これもまた、灰原を金融マンとして成長させる経験のひとつ。ナニ金としては珍しい、ホロリとさせられるエピソードですが、前にも述べました通り、ダメ人間である泥沼との対比により、よりコントラストが際立ちますね。ちなみに薄井夫婦はこの後、マンガ本編に登場することはありませんでした。逃げた先で妻と平穏に暮らした、と、思うことにしましょう。

[ひと息コラム]#8:映画『男はつらいよ』とドラマ版ナニワ金融道、この2作品の共通点とは?

2015年放送となったドラマ版『新ナニワ金融道』。これは2003年にお亡くなりになった青木雄二氏の後を継ぎ、青木氏の元スタッフ陣によって2007年に第1巻『復活銭闘開始!!編』を皮切りに再開された(C)青木雄二プロダクション名義の『新ナニワ金融道』が原作です。

灰原の後輩女性社員である雨宮利加子役は桜庭ななみ。そして、灰原との恋愛要素も描かれる孫野手洋子には蓮佛美沙子を配役。また洋子の父、孫野手建造は斉藤洋介。この孫野手親子と対決する消費者金融業者・土壺京一はユースケ・サンタマリアといったキャストも話題となりました。 この新作、そして元祖ナニ金原作のパート1からパート6まで、実はドラマ版すべてには、ある共通する要素があります。それは、毎回、その時々の旬な女優さんがヒロインとして出演し、中居演じる灰原との恋愛的要素が描かれるものの、最終的に結ばれることはないというもの。

この展開はどこかで見覚えがありますね・・・そう映画『男はつらいよ』にて描かれる、車寅次郎とマドンナとの関わりと同じなのです。ともすれば、どぎつい面ばかりが目立ってしまいがちな原作ゆえに、ドラマではそうした要素を和らげるために、こうした方式を採っているものと思われます。

ちなみに歴代ヒロインは次の通り。
パート1:深津絵里(高橋正子役/1996年2月)

パート2:篠原涼子(三宅律子役/1996年10月)

パート3:石田ひかり(篠崎みどり役/1998年1月)

パート4:瀬戸朝香(山川しのぶ役/ 1999年4月)

パート5:加藤あい(志摩奈々子役/ 2000年9月)

パート6:池脇千鶴(市村朱美役/ 2005年1月)

新ナニワ金融道:蓮佛美沙子(孫野手洋子役/2015年1月)

これらのうち、原作の設定に準じているのはパート1とパート2のみあとは原作には登場しないオリジナルキャラ、あるいは原作と設定が大きく異なっています。それこそパート6で池脇千鶴が演じた市村朱美は、原作では灰原の・・・ネタバレになるのでやめておきましょう。

こうしたドラマ版ならではの要素と原作を比較しながら楽しめるというのも、ナニ金ならではと言ったところでしょうか。

「なるほど噂どおり肉欲企画は苦しそうだな コレはひょっとすると 相当おいしい話になるかもしれないぞ」by灰原達之

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これは薄井との涙の別れの後、ひょんな事から入手した情報により、新しい有力な融資先の目星をつけた灰原の心の声になります。

『ナニワ金融道』全19巻の中でも知名度の高い不動産経営者、肉欲棒太郎と灰原ならびに帝国金融がかかわるきっかけとなった出来事であると同時に、薄井の件でいつまでも感傷に浸っておらず、金融マンとしての灰原の嗅覚が向上していることを示している点でも興味深いところです。

薄井の夜逃げを見送り、通常(?)業務に戻った灰原。とある顧客との面会を終えて帰社しようとしたところ、デモ活動をしている中年女性の団体に、署名に協力して欲しいと頼まれました。詳しく話を聞いてみると、地上げ屋が当初はオフィスビルだと説明しておきながら、実は風俗営業専用ビルを建設しようとしているとのこと。
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灰原は署名に協力するフリをしながら案内してもらうと、そこには8割がた工事の進んでいる、凸凹形状のビルが。その工事現場に表示されている建築許可票から、施工主が肉欲企画という不動産業者(実際は地上げ屋)であることをメモ。早速、法務局に出向き、肉欲企画の謄本をチェックした灰原が発した心の声こそが、この「なるほど噂どおり~」のセリフ。
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帝国金融に帰社すると、直ちにこの状況を金畑社長、高山部長、桑田に報告。もし住民運動がエスカレートし工事が中断でもすれば、肉欲企画は資金面で苦しくなり、帝国金融に儲けをもたらすことができるかもしれないと判断を仰ぎます。金畑社長は、灰原の報告に興味をしめし、反対運動グループと肉欲企画の双方に近づき、情報を収集してみろと命じるのでした。

このエピソードは、灰原が帝国金融に入社してちょうど1年という設定でのこと。初めての顧客である高橋正子や背口・三宅のカップル、そして今回の薄井や泥沼といった面々とのやり取りを重ねたことで、金融マンとしての嗅覚が鋭くなっていることが示されており、読者が感情移入していけるようにしている点はさすがです。あらためてナニ金は、単にえげつない話を描いているだけでないことがわかりますね。

さて、読者の共感を得るといことで言えば、ナニ金はここでもうひとつ、ある出来事が起こります

「社長 あれは使いものになりまへんで!」by桑田澄男

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これは灰原の後輩(年齢は灰原の方が下)として帝国金融に入社してきた吉村定雄の勤務初日の様子を観察した桑田が、金畑社長に伝えた感想。しかし実際には、この桑田の言葉はハズレとなるのでした。人を見る目の確かさでは非常に長けているはずの桑田も、時には予想を外すことがあるということに、意表を突かれますね。

この吉村定雄は、第5巻から登場した新キャラ。上記の通り、帝国金融の新人=灰原の後輩という位置づけです。吉村はこの時点で灰原より年長者かつ妻子もいるという設定。法務事務所に勤めながら司法書士を目指していましたが、勤め先が詐欺にハメられて倒産。金融の生の現場を経験したいと、入社を志願してきます。
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ただし、クセの強い帝国金融の面々の中にあっては気が弱く、怒鳴られて落ち込んでしまった状態で初日が終わり。吉村が帰宅した後に桑田が発したセリフがこの「あれは使いものに~」のセリフ。他の面々も桑田に同意し、このまま辞めてしまうだろうと断言。灰原も薄々そう感じましたが、吉村は次の日もキチンと出社してきて、一同を驚かせるのでした。
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この吉村という人物は前述しました通り、街金という特殊な世界において、一般読者が共感を得やすいように投入された等身大のキャラとのこと。入社後しばらくはそれこそ怒鳴られて落ち込むばかりでしたが、灰原との飲み会にて、ある会話から気持ちの変化が生まれます。そして、桑田もまた、ある出来事をきっかけに、吉村に一目置くようになるのでした。そう考えると、桑田のこのセリフは、作者による「前フリ」であったと考えることができ、ここでも人間を描く姿勢の深さを感じさせられますね。

次回からは、肉欲棒太郎との駆け引きが本格化。灰原が仕掛けた策略とは・・・

以上の通り、今回の記事では、薄井と泥沼との関わりがひと段落し、次なるストーリーに切り替わるタイミングをご紹介しました。

次回からはいよいよ、ナニ金全体の中でも高い人気を博した、肉欲棒太郎との駆け引きが始まっていきます。そうした中で灰原はどのように立ち回るのか、そして新人の吉村はどのように変化していくのか、ぜひご期待ください。

『ナニワ金融道』の名言集 ~登場人物のセリフ編(7)~「「この運不運というヤツは不思議なもんでしてなー こういう得意の絶頂の時にツケが回って来るんですわ」

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