奨学金の増額方法と銀行教育ローン ~国の教育ローン審査落ち対策

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奨学金の増額方法と銀行教育ローン ~国の教育ローン審査落ち対策とは
入学金や授業料・留学費用だけでなく、学生生活の幅広い経費に利用できることで人気の高い国の教育ローン。

正式には日本政策金融公庫の「教育貸付」のことで、利率も低金利で安心して利用できる公的ローンとして利用者が多くなっています。

教育費調達の第一選択肢と言える国の教育ローンですが、利用には審査がありますので、誰でも無条件に使える訳ではありません。もしもの審査落ちに備えて、考えておくべきことはあるでしょうか?

このページでは、国の教育ローンの審査落ち対策について、どのようなものがあるかを紹介します。また、審査落ちの際に利用できる、ほかの教育ローンについても考えます。

★このページでご紹介している奨学金の情報は、全て日本学生支援機構(旧育英会)の奨学金制度についてです。大学独自の奨学金など、その他の奨学金では情報が異なりますので、混同しないようご注意ください。

また、情報の細かい数値は大学進学時に関連した数値になっています。専門学校や大学院などほかの進学先に適応される数値は必ず日本学生支援機構のホームページでご確認ください。

なぜ審査に落ちる?国の教育ローンの利用条件とは?

奨学金の審査に落ちるのはどんな人?
日本政策金融公庫の教育貸し付け「国の教育ローン」は、国の公的機関が貸し付けている、公的ローン。したがって、誰でも希望すれば使えるような印象がありますが、実際には審査落ちして利用できない人がいます。

日本学生支援機構の奨学金の審査落ち最大の理由は、家庭収入の多さが考えられます。また本人の学力も選考条件のひとつになりますので、これらが原因で審査に通らないことがあります。

【参考】

では、国の教育ローンに落ちてしまう時は、一体どのような理由なのでしょうか?

ほかの教育ローンとの違いは?

国の教育ローン審査は、奨学金審査に似た点と、一般ローンに似た点とがあります。

奨学金と同様に年収上限がある

奨学金の申込みには、家庭収入の上限金額が設定されており、それを超える場合は利用することができません。

例:大学で予約採用の場合の家計基準
世帯人数 3人の場合の年収上限
(カッコ内は所得)
4人の場合の年収上限
(カッコ内は所得)
5人の場合の年収上限
(カッコ内は所得)
第一種 692万円
(286万円)
781万円
(349万円)
896万円
(464万円)
第二種 1,033万円
(601万円)
1,124万円
(692万円)
1,274万円
(842万円)
同様に、国の教育ローンを利用する際にも、家庭収入の上限が決まっています。

国の教育ローン 申込み年収制限
扶養している子どもの人数 世帯全員の年収合計の上限 事業所得者の所得上限 特定の用件を満たす場合
1人 790万円 590万円 990万円/事業所得者は770万円
2人 890万円 680万円
3人 990万円 770万円
4人 1090万円 860万円
5人 1190万円 960万円
このように、奨学金と同様に国の教育ローンも世帯年収の制限があります。経済的に困難な人の学びを支える制度なので、上限額を上回る収入がある場合は、審査に通ることができません。

一般ローンのように個人信用情報機関の照会がある

奨学金の借り主は学生本人ですが、国の教育ローンは保護者が子供の教育費のために借りるローンです。

したがって国の教育ローンの申し込み時に、保護者の信用情報を個人信用情報機関へ照会してもよい、と同意する必要があります。日本政策金融公庫で照会するセンターは、以下の3社。

・全国銀行個人信用情報センター
・(株)シー・アイ・シー
・(株)日本信用情報機構

つまり、年収条件に合致していたとしても、保護者の個人情報を信用情報機関に照会した結果、貸し付け不可とされることはあります。

奨学金を取り扱っている日本学生支援機構は、近年全国銀行信用情報センターに加盟しました。したがって、申し込み手続時に個人信用情報の取扱いに関する同意書を提出します。

ただし、これはいわば延滞対策のための登録および利用(悪質な延滞を信用情報に登録すると公表することで防止する)に限られるので、選考時に保護者の信用情報が照会・利用されることはありません。

【まとめ】
国の教育ローンは、奨学金の審査内容とは異なり、年収制限保護者の信用情報などが審査上大きなウエイトを占めると見られています。

国の教育ローンは奨学金とセットで申し込む!

国の教育ローンは奨学金とセットで申し込む!
国の教育ローンの審査に落ちた場合に備え、奨学金を同時に申し込んでおくと良い、という情報があります。

なぜ、国の教育ローンと奨学金を一緒に申し込んでおくとよいのでしょうか?

同時申し込み、その理由とは?

現在奨学金のスタンダードな申込み方法は、高校3年生の6月頃に申し込む「予約採用」です。

予約採用とは、奨学金の採用枠が十分にあるうちに、翌年度の利用を文字通り予約しておく、という主旨の申込方法です。

奨学金自体は、大学等に入学してからも年度に1回(緊急・応急採用は随時)申し込みが出来ますが、予約採用時にしか申し込めない特別枠の奨学金があります。

それが「入学時特別増額貸与奨学金」です。

この特別な奨学金、利用には国の教育ローンと深い関係があるのです。

入学時特別増額貸与奨学金ってなに?

現実は、入学時特別増額貸与奨学金の利用対象者は「国の教育ローンを申しこんだ人で、利用できなかった人」となっています。つまり、国の教育ローン審査に落ちた人だけが利用対象者です。

増額貸与の内容は、10万円から、10万円単位で最高50万円まで申し込むことができます。

予約採用の申込みの際に増額貸与を希望する、と書類を提出しておきましょう。万一、その後国の教育ローンを申し込んで審査落ちで利用できなかった場合に、別枠でまとまった奨学金を受け取ることができます。

入学時特別増額貸与奨学金の注意点

国の教育ローンの審査落ち対策に役立つ入学時特別増額貸与奨学金ですが、利用にはいくつかチェックしておきたい点があります。

単体利用はできない点に注意

入学時特別増額貸与奨学金は、基本の奨学金を申し込んでいることが大前提です。国のローンに落ちたから、といって、急に申し込める物ではありません。奨学金の予約採用時にしか申し込みできませんのでご注意ください。

また、入学時に限った制度なので、奨学金の在学採用(入学後の採用)の貸与者が、さかのぼって請求することはできません。

貸与時期に注意

入学時特別増額貸与奨学金は、予約採用時に申込みしておきますが、実際に貸与されるのは入学後。初回の奨学金が貸与される5月頃に、一緒に振り込まれる仕組みになっています。入学前には貸与されないので、注意が必要です。

国の教育ローンを入学前資金に利用したかったのに審査落ちした場合でも、貸与は5月頃なので、かなりのタイムラグが発生してしまいます。

その場合は増額貸与されるまでの間、別のローンをつなぎに利用する必要があります。

利息に注意

入学時特別増額貸与奨学金は、基本の奨学金を第一種(無利息)で申し込んだ人でも、第二種(利息あり)の増額部分としての貸し付けになります。

借入金利も基本の第二種よりは若干高い設定になっています。変動金利と固定金利とでは利率が違うので確認しましょう。ただし、一般の銀行教育ローンなどに比べると、かなり低金利です。

借り主に注意

国の教育ローンを借りるつもりだった人は、保護者の借金で教育費を賄う予定だった人ですが、増額奨学金になってしまうと借金の名義は学生本人のものに上乗せされてしまいます。この点を理解したうえで、利用してください。

入学後の教育費増加には?奨学金って途中で増額できる?

さて、入学前の国の教育ローン審査落ちには、入学時の増額奨学金が使えますが、では入学後の場合はどうでしょうか。

在学中の教育費の補てんに国の教育ローンを使えなかった場合、すでに奨学金を利用していれば、毎月の貸与額を増額することが可能です。

ただし、増額の対象は第二種になります。(第一種の場合は自宅生・自宅外生や、公立・私立の別で奨学金の額が決まっています。特に希望すれば月額30,000円の選択もできますが、変更の余地がほぼありません)

貸与月額の例(大学・短大・専門学校)
条件 第一種 第二種
学校の種類 居住
国公立 自宅 45,000円 30,000円
50,000円
80,000円
100,000円
120,000円
のいずれか
自宅外 51,000円
私立 自宅 54,000円
自宅外 64,000円
第二種の場合は、決まった額の範囲で、増額することができます。

増額の手続きは、在学する大学等の担当窓口(学生支援室などの名称)に申し出て、月額変更願を提出すれば大丈夫。早ければ手続きの翌月分から増額できます。

ただし、増額可能とはいえ、2~3か月毎など、あまり頻繁に月額を変えるのはNGのようです。また、増額により返済額や、場合によっては返済期間も変わってきます。必ずシミュレーションして、確認してから利用してください。

なお、最後に奨学金予約採用者の大まかな手続きの流れを紹介しておきましょう。

【参考】

奨学金予約採用者の手続の流れ
【入学時】
採用候補者決定通知書を進学した学校に提出すると、手続きのための識別番号が交付されます。それを持って、インターネットから進学届を提出します。また、返還誓約書を学校に提出します。

【在学時】
毎年12月~年明けにかけて、学校経由で貸与額通知書が交付されます。内容を確認して、継続貸与を希望する場合は、奨学金継続願を指定日までにスカラネットPS(インターネット)より入力します。また、卒業までに返済口座番号や、返済方法を確認しておきます。貸与分がもしも余っていたら、利息が掛からない据置期間に返済しておきましょう。

【貸与終了時】 貸与奨学金返還確認票を受けとり、指定した金融機関より返還が始まります。繰上返済などの返済開始後の手続も、スカラネットSPより行えます。

国の教育ローンの代役といえば銀行教育ローン

民間銀行の教育ローンも使える
国の教育ローン審査に落ちてしまったけど、

★奨学金の申込みをしていなかった
★していたけど増額貸与までのタイムラグが困る
★学生本人の借金になる奨学金を利用したくない
…という場合、頼れるローンは銀行教育ローンということになります。

銀行教育ローンは民間金融機関のローンなので、国の教育ローンよりは金利が高めです。しかしフリーローンなどよりは低金利設定になっており、銀行取り扱いのローンなので安心感もあります。

必要額を申し込んで審査を受け、一括貸し付けされるので、基本的には限度額内で何度も貸し借りできるカードローンのようなタイプのローンではありません。(まれに熊本銀行など、地方銀行でカードローンタイプの教育ローンがあります。)

国の教育ローンは最高一人当たり350万円までの貸付ですが、銀行教育ローンのなかには限度額500万円~1000万円といった高額設定の商品もありますので、十分な資金を準備することが可能です。

国の教育ローン審査落ちでも、銀行教育ローンは使える?

国の教育ローンと銀行カードローンの審査基準は同じではないため、国の教育ローンに落ちたから銀行教育ローンも難しい、とは言えません。

国の教育ローンの審査落ちの理由が、世帯収入が制限より多かったことであれば、むしろ銀行教育ローンでは審査に通りやすいといえます。

しかし、申し込んだ保護者の個人信用情報が原因になっていると思われる場合は、銀行教育ローンも同様に使えないケースが出て来るかもしれません。

最終的な判断は審査を待たなくてはいけませんが、銀行教育ローンを申し込む際には、常識的に不利な情報(他のローンの延滞や、過度な借り入れなど)を排除しておくに越したことはありません。

特別増額奨学金が出るまでのつなぎ融資にも対応

国の教育ローンは申し込みから実際の融資まで20日程度かかりますが、銀行教育ローンならスピード審査が出来るところもあり、国の教育ローンよりは早めに対応が可能です。

必要な時に借入れ可能かどうかの結果がすぐにわかるのはありがたいですね。

銀行教育ローン選びのポイント

銀行教育ローンを選ぶ際には、金利や審査スピード、融資までの時間は当然誰でも気を付けて選ぶでしょう。しかし、ほかにも注意しておきたいポイントはたくさんあります。

無担保か有担保かをチェック

大手銀行では、限度額が高いと思ったら有担保型の教育ローンだった、ということがあります。中には不動産を担保に最高3000万円まで借りられる教育ローンも。団体信用生命保険に加入できるものもあります。

念のため、担保の要・不要はチェックしておきましょう。

保証金や保証人をチェック

保証金(保証料)が金利に組み込まれているのか、別払いになるのかは大切なポイントです。連帯保証人の要・不要もチェックしましょう。

申し込み特典をチェック

地方銀行でよく見られるのが、指定された条件を満たせば金利が下がるサービス。最終的に2%台で教育ローンが利用できるケースもあります。このような教育ローンをうまくキャッチできれば、国の教育ローンと大差ない金利で、むしろ便利に使うことができます。身近なメインバンクも一度チェックしてみましょう。

急ぎで教育資金が必要な場合に使える調達方法とは?

急な出費には銀行カードローンが便利
国の教育ローンは申込みから融資まで20日程度はかかるため、早めに申し込んで審査だけ通しておくのが上手に利用するコツです。

しかし、当てにしていた親族の援助が少なかったとか、用意していたよりも多い金額が請求されたなど、急に利用の必要があって、慌てて申し込むケースもあるでしょう。

そのような場合に、予想外に審査落ちしてしまうと、もうどうしたら良いかわからなくなってしまいますね。

教育費に銀行カードローンが役立つワケ

「今から銀行教育ローンに申し込んでも間に合わない…〇月〇日までに学費を納めないと合格が取り消しになってしまう!」そのような切羽詰まった状況では、ぜひ銀行カードローンを思い出してください。

銀行カードローンが教育費調達に役立つのは、以下のような点です。

最短で翌日融資可能

条件を満たせば、申し込んだ次の日に融資が受け取れる銀行カードローンがあります。また、翌日融資とまではいかなくとも、審査結果が1日~2日で分かれば、教育資金計画も立てやすくなります。

自分が利用できそうな銀行カードローンをあらかじめ調べておくか、前もってカードのみ準備しておくのも、一案でしょう。

スピード融資早見表
銀行名 スピード融資の条件
三菱UFJ銀行
バンクイック
テレビ窓口で
カード受け取り
三井住友銀行
カードローン
ローン契約機で
カード受け取り
みずほ銀行
カードローン
口座を
持っている場合
イオン銀行
カードローン
口座を
持っている場合
横浜銀行
カードローン
申し込みに
居住制限あり
審査

銀行カードローンには、審査を担当する保証会社として消費者金融や信販会社が入っています。したがって、より融資対象は広く、消費者金融のノウハウを生かすことで、取引全般がスピーディーに利用しやすく変わってきています。

近年、銀行カードローンが使いやすくなったと言われるのは、そのような理由です。

保証会社早見表
銀行名 保証機関(審査担当)
三菱UFJ銀行
バンクイック
(株)アコム
三井住友銀行
カードローン
SMBCコンシューマーファイナンス(株)
(プロミス)
みずほ銀行
カードローン
(株)オリエントコーポレーション
(オリコ)
イオン銀行
カードローン
イオンクレジットサービス(株)オリックス・クレジット(株)
横浜銀行
カードローン
SMBCコンシューマーファイナンス(株)
(プロミス)
限度額内で何度でも出し入れできる

国の教育ローンも、銀行教育ローンも、追加で融資を受けようと思うと、その都度申込書を提出し、審査を受けなくてはいけません。借入1件ずつの取り扱いになるからです。

銀行カードローンなら、申し込みと審査は初回の1回だけ。利用限度額が決まれば、その範囲内なら、自由に借入れ・返済ができます。つまり、必要な時に最寄りのATMからサッと借りられて、ゆとりのある時はこまめに返済できる仕組みになっています。

もちろん借入・返済をきちんと続けて利用履歴を積めば、限度額を増額してもらうことは可能です。

「消費者金融系カードローン」と呼ばれるものは、いわゆる消費者金融で、金利が高い上にまとまった額が借りにくくなっています。

また、学生ローンという、教育ローンに使いやすそうな名称のローンもありますが、こちらも学生を対象にした消費者金融です。

カードローンで教育費にまとまった額を使いたい場合は、銀行カードローンを選ぶようにしましょう。

銀行カードローンを教育費に使う場合の注意点

銀行カードローンを教育費調達に活用する際の注意点は、1点につきます。
それは…

教育費は銀行カードローンで借りっぱなしにしない!
利便性が抜群によく、借りやすく返しやすい銀行カードローンの唯一の欠点は、国の教育ローンや銀行教育ローンと比べると、金利がかなり高い点にあります。

すぐに用意できるから…めんどくさい手続なしで追加借入ができるから…そのような理由でだらだらと教育費を銀行カードローン頼みにしてしまうのは、感心しません。

なぜなら、教育費は継続的に必要な経費だからです。

購入時に1度だけかかる住宅ローンや自動車ローンと違い、子供を学校に行かせている間は、複数回まとまった学費の振込があったり、教材費や交通費、研修旅行代など、次々と必要になってくるものです。

習慣的に不足分を銀行カードローンで借り入れていると、高金利ゆえに教育費が思わぬ大借金に化ける恐れがあります。

教育費はいまや高額投資のひとつです。
従ってまず低金利の国の教育ローンと奨学金を主軸に据えましょう。

そのうえで、審査落ち対策として銀行教育ローンや銀行カードローンをそれぞれの特長を生かして利用するようにしてください。特にカードローン利用分は、ある程度まとまった時点で金利の低い銀行教育ローンに借り換えるのが得策です。

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