奨学金とは?学生が借りるの?いまさら聞けない教育ローンQ&A

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奨学金ってなんですか?どんな仕組みですか?

奨学金とは、能力と意欲が高い学生に、学費や生活費を給付または貸与して、経済的な負担を軽くするための制度のことです。
日本で最もメジャーな奨学金と言えば、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金制度。2015年現在、学生の50%以上が利用しています。

海外で奨学金と言えば返還不要の給付型が主流のため、日本の奨学金制度は事実上の学生ローンだと批判を浴びることもあります。しかし、ほかの教育ローンと比較すると、金利面など実質的にメリットの高い面がたくさんあります。日本での教育費調達の手段としては、国の教育ローンとともに、第一選択肢となっています。

ここでは日本学生支援機構の奨学金についての疑問・質問にお答えしましょう。

奨学金、誰が使える?申込条件は?

奨学金、誰が使える?申込条件は?

日本学生支援機構の奨学金は、翌年度に大学や短期大学、専門学校、大学院、高等専門学校に進学予定の人が利用出来ます。

申し込み条件には世帯収入のほか、本人の成績に一定以上の評価が求められます。

また、奨学金は保護者が借りるものではなく、学生本人に貸与されます。
申込み時の家計基準は、進学先別に細かく決められています。一例として大学・短期大学に進学する際は以下のようになっています。

家計基準の目安
第一種 第二種
世帯人数 給与所得者/給与所得外 給与所得者/給与所得外
3人 692万円/286万円 1,033万円/601万円
4人 781万円/349万円 1,124万円/692万円
5人 896万円/464万円 1,274万円/842万円
進学先により年収(所得)基準が変わりますので、ホームページ等で確認するようにしてください。また、第一種と第二種を併用する場合は、第一種よりもさらに低い家計基準になります。

なお、奨学金の家計基準は、国の教育ローンの年収制限のように厳密なものではなく、あくまでも目安となっているので、若干融通が利くケースもあるようです。

どんな学校でも使える?

奨学金が利用できる学校は?
日本学生支援機構の奨学金は、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)および大学院に進む人が対象です。

高等学校は対象外ですが、高等学校向けの奨学金業務は、現在、各都道府県に移行しています。居住地の都道府県の教育委員会に問い合わせてみましょう。

奨学金ってどうやって申しこむの?

奨学金ってどうやって申しこむの?

入学前の6月頃に在籍校(高校)を通じて申し込みます。しかし、それ以外にも申し込み方法はあります。
奨学金の申し込み方法には、

(1) 予約採用 ⇒ 入学前の申込み
(2) 在学採用 ⇒ 入学後の申込み
(3) 緊急採用(第一種扱い)
応急採用(第二種扱い)
⇒ 緊急の申込み

以上の3種類があります。

在籍校での予約採用が主流

採用方法のうち、採用枠がいちばん確保されていて、もっとも申込者が多いのは、予約採用です。

奨学金の貸与が入学後開始されるので、申し込みも年度末くらいかな?と思っていたら要注意。実は奨学金の申込は、入学の前年度に在籍している学校(主に高校)を通じて、6月頃から始まるのです。審査通過したら採用候補者決定通知と手続き方法が書かれた冊子が送られてきますので、それに従い進学先で入学手続を行います。ここまで完了して本採用となります。

学校によっては秋に再募集がある場合もありますが、主流は6月頃の申込みです。まだまだ先…と思わずに、卒業年度になったら、学校からの奨学金申込み案内に注意しておきましょう。

入学後や緊急時に利用できる?

採用枠が残っていれば進学後にも申し込みできる
予約採用で申し込めなかった場合、入学後に進学先で申し込みを行うことは可能です。しかし、大学ごとに採用枠があり、進学先に採用枠がほとんど残っていない場合は審査通過が厳しくなる場合があります。最悪、募集自体が無くなる可能性もゼロではありません。

従って、確実に採用枠を取っておきたいなら、早めに予約採用で申しこんでおくのが良いでしょう。

ただし、家計を支えている人が急病になったり、失業したりして、急に奨学金の利用が必要な場合は、緊急採用という手段があります。そのような家計の急変があった場合は、まず大学や専門学校などの奨学金窓口に相談してください。

奨学金の金利は?どのくらい借りられるの?いつから借りられるの?

奨学金の金利は?どのくらい借りられるの?いつから借りられるの?

奨学金には第一種・第二種という異なった枠の採用があり、第一種は無利息、第二種は利息あり、と利息設定が異なります。また、第一種・第二種では毎月の貸与額も違います。

貸与開始はいずれも入学後の手続が完了した5月か6月になります。
奨学金について調べる際に、必ず知っておかなければいけないのは、第一種と第二種という二種類の採用方法がある、ということです。

第一種と第二種の違いは?

奨学金には第一種と第二種という異なった枠での採用があり、定額を毎月貸与する、という仕組みは同じですが、細かい点で違いがあります。

奨学金:第一種と第二種の主な違い
第一種 第二種
金利
(貸与利率)
無利息 固定:0.53%
変動:0.10%
(2015年/12月現在)
★在学中は無利息:貸与終了後から利息が掛かり、最高3%
学力基準 高校の成績平均が3.5以上 高校の成績が平均水準以上
家計基準 上のQ&Aの表を参照
最大の違いは第一種が無利息貸与になる点です。しかしその分、学力や家計の基準が厳しくなっており、採用は狭き門となっています。また、貸与の月額もおさえめで、第二種ほど高額貸与は受けられません。

どのくらい借りられる?

奨学金は一種・二種で貸与額が異なる
どのくらい毎月貸与されるかも、第一種・第二種により異なります。

奨学金:第一種と第二種の貸与額
第一種 第二種
毎月の貸与額 国公立か私立、自宅生か下宿の別で30,000円~64,000円の間の決められた金額 30,000円~120,000円の間の決められた金額
第二種は、上記の範囲内で5段階に設定されています。

細かく違いがあるのは第一種の貸与額で、進学先が国公立か私立か、居住が自宅か自宅外(下宿など)か、によって、選択できる金額が異なります。

なお、第一種は最高でも月額64,000円までしか貸与できませんので、それでも不足だという場合は第二種との併用が可能です(ただし、採用条件がより厳しくなります)。

第一種・第二種の併用が厳しい場合は、第二種のみで申し込むことも検討しましょう。

いつ借りられる?

奨学金は、入学先の各学校で、採用者による入学後の手続が必要になります。すでに採用になっているからと、入学後の手続きをうっかり忘れると、採用取り消しになりますので、注意してください。

入学後速やかに手続きが完了すれば、4月からの貸与が可能な場合も。少し遅れた場合は6月からの貸与となります。また貸与開始に第一種・第二種で差はありません。

また、奨学金には、国の教育ローンに申し込んだけれど審査落ちで借りられなかった場合に備えて、入学時に1回だけ増額してもらうことが可能です。

入学時特別増額貸与という仕組みで、有利子で10万円~50万円(10万円単位)を一括貸与してくれますが、こちらの貸与も、入学後初回の奨学金振込時になりますのでご注意ください(入学前には振込されません)。

こちらのQ&Aの、より詳細な説明については、以下を合わせてご覧ください。

奨学金、保証人は必要?

奨学金、保証人は必要?

はい、必要です。しかし、保証人が立てられない、または立てたくない、という場合は、保証機関を利用することもできます。
奨学金の貸与を受けるには、

(1)貸与を受ける人が連帯保証人およ保証人になってくれる人を探して依頼する
⇒人的保証制度

(2)保証機関に連帯保証および保証を依頼する
⇒機関保障制度

いずれかの方法を取らなくてはいけません。

人的保証では、連帯保証人(貸与を受ける本人と同じ返済責任を負う)は基本的に親兄弟・おじ・おばより選び、保証人は学生本人・連帯保証人と別家計の親族から選ぶ必要があります。

機関保証とは?

保証料を支払えば機関保証が受けられる
連帯保証人および保証人を頼めそうな人がいない場合や、親兄弟や親族と言えども、保証人と言う重責は背負わせたくない、という場合は、機関保証を選ぶことになります。

機関保証とは、公益財団法人日本国際教育支援協会に所定の保証料を支払い、一切の保証業務を引き受けてもらうことを指します。

注意が必要なのは、保証料は毎月の貸与分から差し引かれる、という点です。保証料額は一律で〇○%、とは決められておらず、貸与月額、貸与月数、返還期間等により異なります。参考までに、2015年度の保証料は、だいたい毎月の貸与額の3%~5%程度の設定になっています。

保証料の一例
区分 貸与月額 保証料月額


短大・専門学校 30,000円 828円
大学 30,000円 1,114円


短大・専門学校 30,000円 835円
50,000円 1,806円
80,000円 3,102円
大学 30,000円 1,128円
50,000円 2,132円
80,000円 4,358円
例えば第二種を利用している大学生で、毎月50,000円貸与コースで機関保証を選択している場合、月々の振込額は保証料2,132円を差し引いた47,868円となります。

なお、機関保証と言えども、未成年者が利用する際には親権者か後見人の署名・捺印が必要になるほか、万が一本人と連絡が取れなくなった場合に備えて、本人以外の保護者などの連絡先が必要になります。

奨学金の返済方法は?

奨学金の返済方法は?

奨学金の返済は、卒業して貸与が終了後から始まります。
奨学金の返済は、貸与が完了してから7か月後の27日に初めの振替が行われます。

返済額や返済期間は、貸与総額によって異なりますので、あらかじめホームページ等で試算することをおすすめします。

おおむね13年~15年程度の返済期間になるよう設定されていますが、災害や病気、失業などで返済額を一時的に減額したり、一時猶予措置をする制度を利用した場合は、最長で20年まで返済期間を延長できます。

奨学金以外で教育費を準備する方法は?

奨学金以外で教育費を準備する方法は?

奨学金と合わせて使いたい、教育費調達の第一選択肢は「国の教育ローン」です。

また、それ以外にも急な資金不足に対応できるカードローンなどをチェックしておくと良いでしょう。

国の教育ローン

国の教育ローンは、株式会社日本政策金融公庫の教育一般貸付のことで、公的ローンのひとつです。

国の教育ローン 基本情報
融資対象の学校 就業期間が6か月以上で中学卒業以上が対象の教育施設
金利(2016年/1月) 2.05%
融資限度額(子供1人につき) 上限額350万円/海外留学資金の場合は450万円
融資実行(融資金振込)までの時間 約20日
返済期間 最長15年
民間の金融機関の教育ローンよりも低金利で、公的ローンだから安心して借りられる、と奨学金と合わせて利用する人の多いローンです。

詳しい申し込み方法は、こちらを参考にしてください。

各学校や各種団体の奨学金

奨学金は、日本学生支援機構以外にもあります。

もっともポピュラーなのは、大学や短大、専門学校独自の奨学金です。また、有名企業や地方公共団体、などでも奨学金を扱っているところがあります。

よく探せば給付型(返還不要)の奨学金もあります。我こそは、という学生は募集要項をよく読み、応募してみるのも良いでしょう。

一般の銀行の教育ローン

国の教育ローンと奨学金の次によく利用されているのは、一般の銀行教育ローンでしょう。

国の教育ローンよりは金利が高めですが、消費者金融や銀行カードローンよりは低金利で利用できます。

利用方法は国の教育ローンと同じく、借入1件ごとに申し込み・審査を行う必用があります。

銀行カードローン

銀行カードローンで緊急時にも安心
奨学金も国の教育ローンも、低金利で安心して利用できますが、どちらも急にお金が必要になった際にはちょっと頼れそうもありません。

奨学金は入学後の貸与になりますし、国の教育ローンも申し込みから実際の融資までは20日前後かかります。授業料は用意していても、うっかり計算から漏れていた教科書代や定期代、研修旅行の費用、あとから気が付く学生生活の諸費用なども意外と多く、教育費はいくらでもかかってきます。

そんな場合は、融資にスピード感のある銀行カードローンを1枚用意しておくと、重宝します。

カードローンには消費者金融のカードローンと銀行のカードローンがありますが、このうち教育ローンに利用するには、安心感の高い銀行カードローンがおすすめです。

融資が速く(最短翌日融資)、いったん契約してカードを作っておくと、限度額内で何度でも借入・返済ができるので、追加融資の煩わしさがありません。

ただし、国の教育ローンなどと比べるとやはり金利が高いので、借りっぱなしにせず、適宜金利が低いローンに借り換えるのがおすすめです。

教育費調達の比較一覧
メリット デメリット
奨学金 圧倒的に低金利
・返済は卒業後
・失業や疾病等の場合の返済猶予措置がある
学生本人の負債になる
・入学前の資金には間に合わない
国の教育ローン ・奨学金の次に低金利
・借入金の利用範囲が広い
・いつでも申し込める
必要書類が多く手続きが面倒
・追加融資の度に申込と審査が必要
申込みから融資まで20日程度かかる
銀行教育ローン 限度額が高い
・カードローンよりは低金利
・追加融資は再度申し込みが必要
銀行カードローン ・融資が圧倒的に早くスピード融資も可能
・一度カードを作ると、限度額内で何度でも借入返済が可能
・限度額内なら追加融資もラクラク
・教育ローンよりは金利が高めなので、長期間借入したままにはしないようにする

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